園長だより 12月号

子どもを励ます! ~励ますと、自信を持つようになる~

園長 中村 洋志

あっという間に師走を迎えました。今年も、新型コロナウイルス感染症の流行に振り回された毎日だったような気がしますが、そんな状況の中でも、子どもたちはいつも明るい笑顔で私たちを癒やしてくれました。一人一人の健やかな成長に繋がる日々であればと念じながら取組を進めて参りましたが、子どもたちやご家族の方々にとりましては、どんな年だったでしょうか。この一年間のご支援・ご協力に改めて感謝いたします。

「励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる」という言葉があります。「励ます」という英語(encourage)には、もともと「心を与える」という意味があると聞いたことがあります。子どもが心身共に成長し、「自立」するまで、子どもを援助し、支えるのが私たち大人の役割です。しかし、実際には、どこまで子どもを手助けし、自主性に任せればよいのかとか、どんな時に子どもを誉め、叱ればよいのか迷われることも多いのではないでしようか。その時の感情のままに、何となく褒めたり、大声で叱ったりすることは極力避けたいところですが、現実の生活の中では、なかなか難しいことです。それは、頭で客観的に考えるということではなく、心で考えるということだからです。できれば、表面的な成長だけでなく、内面的な成長(心の成長)にも目を向け、認め、励ましていきたいものです。子どもたちと接していれば、何気ない言葉遣いや言動の中に、その成長ぶりに気づかされることがよくあります。

子どもたちが、新たなことに挑戦しようとしている時には、ただ大袈裟に褒めたり、叱ったりするのではなく、「客観的で、公平な評価」をすることが大切だと思います。成功した際は、共に喜び、例え失敗に終わった場合でも、「この次は大丈夫だよ。」などと励ますことで、親はいつも自分の味方だという安心感を与え、新しいことへの挑戦意欲が湧くとも言われています。その際は、単に「結果」だけではなく、その「過程」を褒めることの重要性も指摘されています。認められている子には「自尊感情」が育まれ、自分を好きになります。このことは、子どもの健やかな成長にとってとても大切なことです。

ただ、幼児期の子どもたちは、基本的には「自己中心的」です。この時期の子どもたちは、大人同様に、あるいはそれ以上に個人差があります。どの子も明るく、素直な振る舞いができる反面、人に何か言われると落ち込んでしまう子や、なかなか集中が続かない子、大人から見ると落ち着きがないように見える子など、様々なお子さんがいます。従って、当然のことながら対応の仕方も様々になるのです。欠点や気になることだけを見ていると、一人一人に内在する「よさ」を見逃すことがあります。大切なことは、子どもを丸ごと受け止めていくという親の姿勢だと思います。このことは、子どもを甘やかすということとは全く違います。子どもと真正面から向き合うからこそ、そのような受け止め方ができるのだと思います。何といっても、子どもにとって最大の味方は親です。私たちも、その味方の一人になれたらと考えています。

来年も子どもたちや保護者及びご家族の方々にとりまして、今年以上に充実した年になりますように心から祈念いたします。