園長だより 2022年2月号

子育ては難しいけど~様々な支えの中で成長していく~

寒さの続く毎日ですが、そんな中にも春への息吹を感じることがあります。私は、「寒を破って咲く梅の花」が好きです。最も寒い時期に、やがて来る春への準備をしているその凛とした姿に毎年元気をもらいます。鹿児島女子高等学校の建学の精神「耐雪梅花麗」(西郷隆盛の詩の中の言葉として有名)も、同じような意味だと思いますが、厳しさに耐えた分だけ美しさと清々しさがあります。子どもたちにも、やがて巣立っていく社会の中で、自分らしさを失わず、明るく元気に生き抜いていく逞しさを培ってほしいと願っています。

昨年末に、市内のある公民館の「家庭教育研究会」に招かれ講話をする機会をいただきました。大した話はできなかったのですが、後日、参加者全員分の感想が送られてきました。真剣に聴いてくださっていたことに感謝するばかりです。その一部を紹介いたします。

  1.  リビング新聞等に書かれていることを読み、お会いしたいと思っておりました。講演会に参加でき嬉しく思いました。私も親としてコツコツ努力していきたいです。
  2.  子育てはすごく難しい。今の教育が正解だとも思えない。悩むことも多い。3人の子どもがいます。3人それぞれ個性があり、性格も違う。毎日毎日イライラすることも、怒ることも、かわいいなと思うこともある。毎日目まぐるしく一日が終わっていく。それも幸せなことなんだと思わせられる話でした。イライラすることも、学校行事が面倒くさいことも子どもがいてくれるからこそだと思いました。今から、子どもたちに感謝することを忘れず、一日一日を大事に過ごしたいと思います。
  3.  私は、四国から一年前に主人の転勤で鹿児島に来ました。今現在、男の子2人の子育て真っ最中で、日々家事に追われながら向き合うことができずにいましたが、先生のお話を聴いて、今日、息子が朝やりたいと言っていた折り紙を一緒にしたいと思いました。「お母さんの仕事は、産んだ子どものことをいつまでもみること」という言葉にとても感動しました。自分のやるべきことが分かった気がします。息子たちにも鹿児島のよさを私なりにこれから伝えていきたいと思います。
  4. 現在、乳幼児とその親の方と接する仕事をしている保育士です。やはり、育児に悩んでいるお母さんたちが多く、でも相談できず、私たちも話を聞いてあげることしかできない状況に、いつも自分の力のなさを痛感していました。でも、先生のお話をお聞きして、私たちもその方たちの支えに少しはなれるかもしれないと自信をいただきました。貴重なお話を本当に有り難うございました。
  5. 何気ない言葉が、相手の心に一生残る言葉にもなることがある。よい意味でも、悪い意味でも、・気を付けていきたいと思いました。今、子育て真っ最中です。きついこともありますが、“子育ては最高の贅沢”を心にとめて頑張ります。

中村園長この他にもたくさんの感想をいただき、私の方が励まされているような気がしました。みんな悩みながらも、お子さんと真っ正面から向き合い、子育てに励んでおられることが分かります。中には、「この資料は、いつでも見られるように目の届くところにおいておきます。」という感想もあり、恐縮することでした。この方は、右のような似顔絵まで添えてありました。有り難いことです。

私の知る限り、何の悩みもなく子育てをした方は一人もいません。一つだけの正解がある訳でもありませんし、すべてがうまくいくとも限りません。また、時代状況など様々な要因がありますので、試行錯誤しながらの毎日だと思います。ただ、子育ては自分一人だけではできません。様々な方々の支えがあり、その中で子どもたちはそれぞれの個性を発揮しながら育っていくのです。確かに子育ては難しいですが、子どもたちの成長はそれに勝る喜びをくれます。一人だけで悩まずに、周りの方々にも相談しながら成長を見守っていけたらと思います。保育園もその役割を果たせたらと常に考えています。

園長 中村洋志