園だより

園長だより 2022年7月号

自分らしい花を! ~どんな場所にも幸せはある~

太陽の光がまばゆい季節になりました。大人にとっては苦手な季節かもしれませんが、子どもたちは、疲れも見せず、連日相変わらずパワフルに過ごしています。そんな逞しい姿を見ていると、子どもたち一人一人の内側にある豊かな個性や長所が伸ばされ、心身共に健やかに育っていくことを願わずにはおられません。
数年前,福岡県で講演を依頼され、久し振りに北原白秋を生んだ、水郷柳川市を訪れる機会がありました。当日は、多くの方々の温かい歓迎を受け、素敵な方々との出会いがありましたが、実は、もう一つの出会いがありました。それは、伺う途中の新幹線の中で読んだノートルダム清心学園元理事長、故渡辺和子さんの著書「置かれた場所で咲きなさい」という本でした。以前から読みたいと思っていた一冊でしたので、一気に読み進めました。久し振りに爽やかな風が心の中を吹き抜けたのを、今でもはっきり覚えています。
その中に、「わたしはいつの間にか『くれない族』になっていました。『あいさつをしてくれない』、こんなに努力しているのに『ねぎらってくれない』、『わかってくれない』(中略)結婚しても、就職しても、子育てをしても、『こんなはずじゃなかった』というものが、次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で『咲く』努力をしてほしいのです。どうしても咲けない時もあります。そんな時には、根を下へ下へと張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものになるために。」という文章がありました。どんな場所でも幸せを見つけることが出来るという、素敵なメッセージだと思いました。85年間の人生が詰まっている、優しく・温かい、そして深い言葉でした。

「置かれた場所で咲きなさい」というタイトルは、夏祭り異動や転職等を否定的に捉えているかのような響きもありますが、私は、そういう意味ではなく「今の自分が現在いる場所で、諦めることなく最善を尽くすことで自らも周りの人も幸せになる。」という意味ではないかと解釈しています。「幸せの形」は人によって様々だとは思いますが、どんな場所でも考え方次第で幸せは手に入るということを伝えたかったのではないかと思います。子どもたちは、これから鹿児島市だけでなく、日本はもちろん世界の各地に飛び出し、そこで自分らしい歩みを進め、人生を謳歌していくことになると確信しています。まさしくこれからの社会を時代を担う大切な「社会の宝」だからです。

保育園・こども園・幼稚園・学校等は、自分とは違う様々な子どもたちや大人たち等との交流を通して、子どもたちが心身共に健やかで逞しく、そして優しく成長していく手助けをしていく場だと考えています。私は、「優しさはすべてに勝つ」という言葉が好きで、担任している時は、よく子どもたちに伝えていました。本当の逞しさや強さは、優しさの中にあると考えているからです。保育園が、子どもたちはもちろん、保護者の方々や我々職員にとっても、自分らしい花を咲かせられる、素敵な場所になることを心から願っています。

園長 中村洋志